愛犬のペットシートを変える時に、尿に血が混じっていたことはないでしょうか。
愛犬の血尿を発見したら、「なにかの病気にかかっているのではないか」「何か変なものを食べさせてしまったのかな」と不安になると思います。
犬の血尿には、どのような原因があるのでしょうか。また、どんな症状や病気になっている可能性があるのかについて一緒に見ていきましょう。
愛犬が血尿どんな症状?
血尿とは、尿に血が混じっている状態です。血尿になると尿の色は、ピンク色から暗赤色と変化します。
血尿は、愛犬の体や病気のサインと考えましょう。
また、以下の症状や行動を起こす場合があります。血尿と一緒に起こる症状や行動も見逃さないようにすることが大切です。
【症状】
- 食欲不振
- 嘔吐
- 尿の混濁
- 下痢
- 血便
- 頻尿
- 多飲多尿
- 元気がない
- ふらふらしている
- 陰部を気にする
- 尿をしているベットシートに光を当てると表面がキラキラしている
- 排尿以外でも血がポタポタと垂れている
- 排尿時に鳴く
- 歯茎や舌が青白くなっている
上記の症状や行動が見られた場合は、命にかかわる場合もあるのですぐに動物病院へ連れていきましょう。
そして、血尿には病気などの原因も多岐にわたります。次は、血尿が原因で起こる病気について説明していきます。
どんな時に血尿がおこるのだろう…。
僕、心配になってきたよ…
愛犬の血尿の原因や考えられる8つの病気
メスの場合は、年に1~3回程発情出血があるので、病気の他に血液が混ざる場合があります。発情期は、人間とにもある生理現象です。尿に血が混じっていても心配しなくて大丈夫です。発情出血の期間が過ぎると、だんだんと血が混ざらなくなります。
しかし、オスが血尿になっていたり、メスが発情出血以外で血尿になった原因は、けがや病気の疾患に伴った血尿が多いと言われています。
- 尿路結石症
- 細菌性膀胱炎
- 腎疾患
- 前立腺疾患
- 腫瘍
- 感染症(フィラリア症)
- たまねぎ中毒
参照・参考元:いぬのきもち・ねこのきもち
血尿から様々な病気が考えられます。血尿があらわれた場合は、上記の病気を疑いすぐに動物病院に連れていくことができるので知識としてしっておくことが大切です。
では、それぞれの病気について見ていきましょう。該当する場合は、すぐに病院につれていってあげましょう。
膀胱炎
血尿が起きる原因として一番多いと言われているのが、膀胱炎です。
膀胱炎は、尿道から細菌が侵入して増殖することで膀胱に炎症がおきる病気です。
オスよりも、陰部から膀胱までの距離が短いメスがかかりやすい病気と言われています。
膀胱炎でも2つの膀胱炎があると言われています。
病名 | 細菌性膀胱炎 | 膀胱結石による膀胱炎 |
おしっこの色 | 濃い色・尿に血が混じっている | 赤色やピンク色 |
おしっこの臭い | きついにおい・生臭いにおい | 強烈なにおい |
頻度・量 | 頻尿 | 頻尿・まったくでない |
排尿時の様子や症状 | いきんでいる・粗相をする | 痛そうにしている |
治療方法 | 薬での治療 | 薬での治療・手術で取り除く |
参照・参考元:いぬのきもち・ねこのきもち
膀胱炎でもそれぞれで治療方法が異なるので動物病院に連れていき、検査をしてもらいましょう。
細菌感染から引き起こされる病気なのね!
膀胱炎でも種類があるのは、知らなかった
尿路結石
尿路結石は、膀胱や尿道・尿管などに結石ができる病気です。
膀胱炎やマグネシウム・カルシウムの過剰摂取まどが原因で尿路結石を引き起こすと言われています。
病名 | 尿路結石症 |
おしっこの色 | 尿に血が混じる・赤色やピンク色・尿が濁る |
頻度・量 | トイレの回数が増える・少量 |
排尿時の様子や症状 | 排尿時に痛がる・排尿できない・嘔吐・食欲不振・元気がない |
治療方法 | 薬で結石をとかす治療・手術で取り除く |
参照・参考元:いぬのきもち・ねこのきもち
体内にできた結石が大きくなり、尿道などを塞ぐことがあります。尿道をふさいでしまうと、排尿がおこなえず膀胱がパンパンに膨れます。
嘔吐を繰り返していたり、元気がなく食欲不振の場合は、急性腎不全になっている場合もあるので速やかに動物病院につれていきましょう。
とても怖い病気ね。ひどくなるまえに病院へ連れていくことが大切だね
普段の食生活にも注意が必要なんだね!みんなで気をつけよう!
前立腺疾患
前立腺炎になると血尿を引き起こします。前立腺炎とは、前立腺が細菌に感染し炎症を起こす病気です。
老犬に多いと言われています。
病名 | 前立腺炎 |
おしっこの色 | 尿に血が混じっている・赤色やピンク色 |
頻度・量 | 尿が出にくい |
排尿時の様子や症状 | 発熱・嘔吐・食欲不振・背中を丸める動作・
下腹部に触られるのを嫌がる |
治療方法 | 細菌を抑える抗生物質を投与する |
参照・参考元:いぬのきもち・ねこのきもち
症状が進むと血尿がおこり、慢性になると症状が出にくいそうです。日頃からスキンシップで下腹部を触ってみたりして観察してあげることが大切ですね。
老犬に多い病気なのね!定期的に健康診断を受けるようにするといいかも
背中を丸める動作がポイントだね!その症状がでたら前立腺炎を疑おう
腎・泌尿器系にできた腫瘍
腎臓や膀胱、尿管などの泌尿器系に腫瘍ができた場合、血尿や頻尿などの症状が起こります。
症状は、膀胱炎と似ています。病院にいっても血尿が続いている場合などは腫瘍ができている可能性があります。そして、老犬がなりやすい病気とも言われています。
また、腫瘍には、良性の腫瘍もありますが、悪性腫瘍に侵されている場合もあるので注意が必要です。
病名 | 腎臓腫瘍 | 膀胱腫瘍 |
おしっこの色 | 尿に血が混じっている・赤色やピンク色 | 尿に血が混じっている・赤色やピンク色 |
頻度・量 | 血尿が長く続く | 膀胱炎が長引いている・血尿が長く続く |
排尿時の様子や症状 | 体重減少・元気がない・腹囲膨満 | 何度も排尿する・膀胱炎がなかなか治らない・体重減少・元気がない |
治療方法 | 外科的な手術・抗がん剤・免疫療法 | 外科的な手術・抗がん剤・免疫療法 |
参照・参考元:日本獣医がん学会 三重動物医療センター なるかわ動物病院
膀胱炎や血尿が長く続いている場合は、癌や腫瘍などの病気が隠れていることもあるので、獣医さんに相談し病院での検査をしてもらいましょう。
ほったらかしにしていたら絶対ダメ!
膀胱炎が長引いている症状があればすぐに病院へ行きましょう
フィラリア症
フィラリア症とは、「犬糸状虫」という寄生虫が心臓に寄生してしまう病気です。
感染経路は、蚊がフィラリア症にかかっている犬の血を吸い、別の犬の血を吸うときに感染していると言われています。
また、犬だけではなく、猫や人間にも感染する事例もあります。
病名 | 犬フィラリア症 |
おしっこの色 | 赤茶色 |
排尿時の様子や症状 | 咳をする・呼吸が荒い・おなかに水が溜まる(おなかが張る)・元気がない・食欲不振 |
治療方法 | 薬での治療 |
参照・参考元:小島獣医科病院
人間にも愛犬にもかかる病気です。一番の予防は蚊にさされないように注意することで防ぐことができます。また、犬用のフィラリア症を予防する薬もあるようなので、それらの方法を用いてフィラリア症にかからないようにしましょう。
夏は特に要注意ね!わたしたちも気をつけましょう!
僕は、よく蚊にさされるんだ…。虫よけとか薬とかで蚊にされないように注意しよう
たまねぎ中毒
たまねぎ中毒は、たまねぎに含まれる物質によって中毒を引き起こす病気です。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
体重10kgの犬ならたまねぎ4分の1個分を食べることで中毒症状が起こると言われています。
たまねぎに含まれる物質によって溶血性貧血を引き起こします。溶血性貧血が原因で血尿の症状がでてきます。
病名 | たまねぎ中毒 |
おしっこの色 | コーラ色やチョコレート色 |
排尿時の様子や症状 | 貧血・黄疸・元気がない・嘔吐・下痢・心臓の鼓動が速くなる・脾臓が腫れる |
治療方法 | 対処療法・抗酸化剤の投与・輸血や輸液 |
参照・参考元:光が丘動物病院グループ 診療ガイドライン
飼い主さんが知らない間に食べていたなんてこともあるので、注意が必要です。しつけをして拾い食いをさせないようにすることでリスクを減らすことができます。
血尿が起こる原因や病気についてご紹介しました。もし当てはまるものがあれば、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
このような病気にかからないようにするために、わたしたち飼い主さんが予防できるとしたらどのような方法があるのでしょうか。
血尿を防ぐための予防について調べてみました。
わたしたち飼い主さんで予防してあげることができたらぜひ実践したいわ!
そうだね!僕たちで愛犬の健康を見ていくことが大事だね!よし!それでは、見ていこう
わたしたち飼い主さんができること【対策5選】
水分補給
愛犬が水を飲んでいない場合は、意識的に水分補給をさせてあげましょう。
こまめに水の減り具合を確認することも大事です。
運動量が少ない場合は、おもちゃで遊んであげたり、散歩に連れていくなどをして運動量を増やし、水分補給を促すようにしましょう。
水分補給は大事ね!飲まない場合は、散歩にでかけましょう
水が減っていたらすぐに新しい水を足してあげよう
ワクチン接種をおこなう
ウイルスやフィラリア症などの感染症などが原因で重症化し、腎炎を引き起こす場合もあります。
そのため、感染症やウイルスの予防接種を行い重症化を起こさせないように予防しましょう。
ワクチンの予防接種をおこなうことが大事ね!
僕たち人間も予防接種するもんな…予防が大切だと改めて気づいたよ
ストレスを溜めさせない
ストレスを溜めることで免疫力が下がり、細菌感染を引き起こしやすくなります。
また、犬は、不衛生なトイレ環境やトイレを我慢させている環境など様々なストレスを抱えてる場合もあります。
そのため、日頃からスキンシップをとってお散歩にでかけ遊んだり、トイレがしやすいような環境作りを整えていきましょう。
愛犬と一緒にドックランにいくのもいいでしょう。
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また、愛犬がトイレしやすい環境作りや飲みたくなるような水のみ場などを作ってあげることが大事です。
水が汚いと飲む気にもなれないし、トイレも不衛生だとしたくないわね!きれいにしてあげると気持ちもいいわ!
休日はドックランに連れていこう!僕も愛犬もストレス発散だ!
栄養バランスのよい食事
体によいバランスの取れた食生活を心掛けましょう。おやつばかりを与え過ぎないように注意することが大切です。
また、尿路結石症などの病気は、食生活とも深い関わりがあります。結石ができやすい体質の場合は、獣医さんに相談し、pHを調節しながら食事を与えるようにしましょう。
結石を予防するドックフードも販売されています。
結石ができにくくするドックフードもあるのね
人間も犬も栄養バランスのよい食生活こそが一番大事だね
おしっこの回数に注意!確認することが大切
膀胱内におしっこがたまっていると、細菌が繁殖していきます。
おしっこをがまんさせないようにすることや排尿の回数が少ない場合は、お散歩に出かけ排尿を促しましょう。
・子犬 2~4時間に1回
・成犬 3~5回
・老犬 3回以上
愛犬の排尿の回数や様子を観察することで早期発見できる病気もあります。
犬は、言葉を発することができないので飼い主さんに痛みなどを伝えることができません。
日頃から愛犬が排尿をしやすい環境作りや健康管理が大切です。
そうよね!私たちが様子を見てあげることが病気の早期発見につながるのね
日頃からスキンシップをとって、愛犬のちょっとした変化に気づいてあげることが大切だね
まとめ
今回は、愛犬が血尿になった際の原因や病気、飼い主さんができる予防策についてご紹介しました。
様々な病気によって血尿の症状があらわれることを学ぶことができましたね。様々な症状や病名を知識としてしっておくことが大事です。
犬は、しゃべることができないので、痛みや違和感があってもそのことを飼い主さんに伝えることができません。そのため、飼い主さんが愛犬の様子を見て、気づいてあげることが大切なのです。
また、血尿の症状が起きた場合は、すぐに動物病院につれていきましょう。
そして、日頃からバランスのいい食生活や適度な運動、排尿をしやすい環境をわたしたち飼い主さんが作っていきましょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。