皆さんはご自分の愛をしていたら、どんな対応をしてあげますか?

もしもその咳が深刻な病気が原因だとしたら、直ちに病院に連れて行かなければなりませんね。しかし、ちょっとむせて咳き込んだだけだとしたら、背中をさすってあげるだけで十分かもしれません。

そもそも犬が咳をするのはどのような時なのでしょうか。「風邪?それとも他の病気?」判断が難しいところです。やはり愛犬が咳をした場合には、どんな場合でもすぐに病院に連れて行ったほうがよいのでしょうか?

愛犬が咳、すぐに病院に連れていくべき?

「愛犬が咳をしている、なんだか苦しそう!」

そんな状況を見てしまったら、今すぐにでも病院に連れていきたくなりますね。しかし、「犬の咳」にはいくつかの原因が考えられ、病院に連れて行く必要のない咳と、すぐにでも病院に連れていくべき咳があります。

そこでまずは正しい判断をするために、病気に関わる咳なのか、そうでないのかを見極めなければなりません

それではそれぞれの特徴や見分け方について、詳しく確認していきましょう。

愛犬の咳、「病院に行かなくていい」のはこんな時

病気じゃない「逆くしゃみ」

「逆くしゃみ」をご存知ですか?
突然「小刻みに息を吸う、荒い息づかい」「口を開けずに連続した咳をする」といった状態になること=吸気性の呼吸困難状態を「逆くしゃみ」と呼びます。
ちなみに通常のくしゃみは息を吐くとき=呼気性の症状です。

引用先:都筑動物病院HP

逆くしゃみ」と聞いて、「何だソレ?!」と混乱している方も多いのではないでしょうか?逆くしゃみとは、犬が興奮したり水を飲んだ直後などに、その刺激がきっかけで起こる症状です。若い小型犬によくみられる症状ですが、痙攣や咳に似ているので、病気と間違えがちな症状のひとつなんです。

そんな場面をみると慌ててしまいがちですが、逆くしゃみは自然に治まるので何もする必要はありません。ただ、早く治めてあげたい場合には以下の方法を試してみましょう。

  • 一瞬だけ息を止めるため、鼻に息を吹きかけるか、指で鼻穴を一瞬だけ塞いであげる
  • 喉を優しくマッサージして、飲み込むのを促してあげる

まさるまさる

逆くしゃみなんて初めて聞いたよ!


あきこあきこ

対処法も確認したし、ウチの子が万が一「逆くしゃみ」になっても大丈夫ね!

ただし、シニア犬になってから急に逆くしゃみを頻繁にするようになったり、あまりにもひどい逆くしゃみをするようになった場合には要注意です。腫瘍や感染症など、深刻な病気の場合も考えられますので、そのような症状がでた時には、一度病院で診察をしてもらいましょう。

不自然な角度で水を飲んでむせただけ

首が不自然な角度になった状態で、水などを飲んだ時にも咳が出る場合があります。動画でもわかるように、上を見上げるような角度になると、気道が狭まり咳が出やすい状態になるんですね。

この写真のような、ケージなどの高い位置にペットボトルをセットするタイプの給水器を使用している方は、わりと多いのではないでしょうか?気軽にペットボトルを使用できるのが利点ですよね。

しかし、中にはこのタイプの給水器で水を飲むと、むせてしまうワンちゃんもいます。愛犬の様子を観察して、高さを調節してあげたり、違うタイプの給水器に変えてみたりすると良いでしょう。

ペットボトルを使用した給水器でも、受け皿がついたタイプもあります。

  • リッチェル ペット用 ウォーターディッシュ ブラウン Mサイズ(1コ入) 887円

まさるまさる

受け皿がついてるタイプだと、水を飲む時も首が楽そうだね!


あきこあきこ

うちもこっちのタイプに変えてみる?

外部からの刺激や誤嚥(ごえん)による咳

愛犬からちょっと目を離した隙に、「食べてはいけない物を食べてしまった!」ということも起こる可能性がありますね。そんな時に犬も人間と同じように、咳をしたりむせたりします。

そのような誤嚥を防ぐためには、まず家の中は掃除や整理整頓を心がける事が大事です。部屋を清潔に保つのは、人間のためだけではないんですね。

また、下に落ちているものを「拾い食い」しないように、しつけをしてあげるのも有効な方法のひとつです。こちらの動画のように、飼い主の指示を聞くようにトレーニングをしてあげるといいですね。

「しつけをする」というコミュニケーションを通して愛犬の安全を守るのと同時に、絆がより深まることでしょう。

あきこあきこ

しつけもワンコの安全を守る手段になるってことかぁ。


まさるまさる

勉強になるねぇ。

病院に連れて行かなくても良い場合の咳についてご説明しました。それでは、病院に行ったほうが良い咳とはどのようなものなのでしょうか?

その「咳」要注意!病院に行くべき「5大注意点」

もしも愛犬が、こんな特徴のある咳をしていたら要注意です。

病院に連れて行くべき愛犬のこんな「咳」
  1. なかなか止まらない咳
  2. 咳と一緒にゴボゴボという音がしたり、血痰が出る
  3. 咳き込んで下の色が変色する
  4. 横になると辛そうにして、上体を起こそうとする
  5. 咳をして早朝に起きてしまう

それではひとつずつ確認していきましょう。

注意点①愛犬の咳がなかなか止まらない

ほんの数回だけ咳をするのではなく、咳き込んでなかなか止まらなかったり、咳が長引いて座り込んでしまうようなら要注意です。アレルギー性の喘息や気管虚脱、慢性気管支炎の可能性が考えられます。

そのような場合には、病院に連れていき診察をしてもらいましょう。

まさるまさる

なかなか止まらない咳は要注意なんだね。

注意点②愛犬の咳に異音や血痰がでている

愛犬が咳をしている時の、その音に注目してみてください。「ゴボゴボ」という異音がするようなら要注意です。また、咳と一緒に痰が出たり、その痰に血が混ざるようなら、その場合もすぐに病院に連れて行ってあげましょう。

そのような場合には、細菌ウイルスに感染していることが考えられます。

あきこあきこ

咳の音に注目ね、メモメモ。人間も病気の時って変な咳をしたりするもんね。

注意点③咳き込んで舌の色が変色する

愛犬が咳をしている時の、舌の色にも注目してみてください。咳き込んでいるうちに、舌の色が変色してきたりしていませんか?

その場合には心臓疾患が原因であったり、肺炎にかかっている可能性も考えられます。その場合もやはり病院へ連れて行き、診察してもらう必要があります。

まさるまさる

舌の色に注目か、心臓や肺炎が原因なら苦しいんだろうなぁ。かわいそうに。。

注意点④横になるのを辛そうにして上体を起こしたがる

愛犬が咳をしている時の体勢にも注目してみましょう。横になると苦しそうにしていたりしませんか?辛そうにしているのに横にならず、上体を起こそうとしていたら要注意です。

この場合には、肺炎肺腫瘍などの重篤な症状の可能性も考えらます。すぐに病院へ連れていき、診察を受けさせましょう。

あきこあきこ

横になるのも辛いなんて、よっぽど苦しいのね。かわいそう。

注意点⑤咳のせいで早朝に起きてしまう

愛犬がもし早朝に咳き込んで起きてしまうようなら、これも要注意のサインです。心臓病などの症状である可能性が考えられますので、この場合も病院に連れて行ってあげましょう。

まさるまさる

寝ていても苦しくて起きちゃうんだね、早く病院で診てもらわなきゃだね。


あきこあきこ

咳って風邪の時だけじゃなくいろんな病気の可能性が考えられるのね、意外だったわ。

確かに咳をしているのを見ると、「風邪かな?」と思いがちですね。しかし「咳をする」という表面上の症状の影には意外な、そして深刻な病気が隠れている可能性もあるのです。

それでは咳の症状から考えられる病気について、もう少し詳しく見ていきましょう。

愛犬の咳から考えられる深刻な「5大疾患」

ケンネルコフ

ケンネルコフとは、ケンネル(犬舎や繁殖場)などの密集された環境で伝播される、コフ(咳)を主症状とする疾患を総称した感染症です。動物の呼吸器の生体防御は乾燥に弱く、一方病原体にとっては好都合な環境です。そのため、空気の乾燥した冬季では(人間のインフルエンザと同様)猛威を奮います。

引用先:アイリスペットどっとコム

ケンネルコフは、感染してからの潜伏期間が1〜2週間ほどあります。伝染力が強いので、仔犬やシニア犬などの発症が目立ちます。しかし成犬の場合でも油断はできません。体力が落ちている時などの免疫力が下がっている時などには感染する可能性があるのです。

まさるまさる

ケンネルコフは感染症なんだね、咳をして苦しそう。。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物などが食道ではなく気管の方に入っていってしまうために起こる肺炎です。

本来、肺につながる気管や気管支には空気が入ってきますが、そこの食べ物や飲み物が入ることで、炎症や感染が引き起こされる結果、誤嚥性肺炎が起こります。

引用:アイビーペットクリニックHP

愛犬が嘔吐をした時や、免疫力が下がっている状態の時に発症しやすい病気のひとつです。呼吸が荒くなったり、咳き込んだりするような症状が特徴です。

あきこあきこ

食べ物や飲み物が気管に入っちゃうことってあるわよね。


まさるまさる

それが原因で肺炎が起こるとは知らなかった。

犬フィラリア症

フィラリアは心臓に住む細長い虫です。蚊に刺されることでフィラリアの虫が犬の体内に入ってしまい、犬の体で成長して心臓に棲み付きます。フィラリアが寄生すると、心臓に慢性的に負担をかけて心不全を引き起こしたり、心臓の便に絡みついて突然死の原因になってしまったりします。

引用:アイビーペットクリニックHP

犬フィラリアとは、蚊を媒体として感染する感染症です。感染すると、フィラリアという寄生虫が心臓に寄生します。その影響で心臓が肥大し咳が出ることがあります。またその寄生虫の死骸が肺や気管に詰まることでも、咳を引き起こします。

犬フィラリアは、動物病院などで予防薬を投与することで防ぐことができる病気です。しかし予防薬の投与をしておらず、愛犬が咳をして長引くようなら、犬フィラリアも疑ったほうがよいと言えるでしょう。

まさるまさる

犬フィラリアには予防薬があるんだね。


あきこあきこ

日頃からの予防って大事よね。

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、犬種でいうとブルドッグ、パグ、シーズーなどの、いわるゆる鼻ペチャの「短頭種」と呼ばれる犬によく見られる病気のひとつです。他の犬種に比べて鼻が短いため鼻や気管が狭くなりやすく、呼吸困難になってしまうという症状です。

具体的な症状としては、普通に呼吸をしている時でも「ヒューヒュー」とか、「ブーブー」といったような気道を空気が通る時の音が聞こえてきます。重症になると、口を大きく開けて小刻みで早い呼吸をしたり、呼吸困難や失神をしてしまうこともあるのです。

悪化すると命にも関わる病気ですので、早めに病院で診察を受けさせてあげましょう。

あきこあきこ

あの鼻ペテャが可愛いんだけど、それが病気の原因になることもあるのね。

心臓病

犬の咳が心臓病に関係があると言われると、意外な気がしますね。しかし、心臓と気管の位置は隣り合っているため、心臓の疾患が原因で咳がでることは十分に考えられるのです。

まず考えられる原因としては、心臓病が原因で心臓が肥大することにより、気管が圧迫されて咳が出るというパターンがあります。気道にある「咳受容体」という、異物を察知するセンサーの役割をしている部分が刺激されて咳がでるという仕組みなんです。

まさるまさる

心臓病かぁ、うちのマシュが、、って考えただけで涙がでそう、、


あきこあきこ

ヤダそんな怖いこと言わないでよ!マシュが病気にならないように、日頃から気をつけてあげましょう!

もしも病気になってしまったら、早めに病院に連れて行ってあげることが大事ですが、まずはできる限り「予防」をしてあげたいですね。それでは日常生活のなかで、どうしたら「犬の咳」を予防できるか確認してみましょう。

「愛犬の咳」を予防しよう!日頃からできる4つこと

基本が大事!予防接種で防いであげよう!

予防接種で防げる病気なのであれば、しっかりと予防接種を受けさせて防ぎましょう。忙しくて愛犬を予防接種に連れて行ってあげられなかったり、うっかり忘れてしまったりなどの理由から受けさせられなかった、といった理由でもしも愛犬が病気になってしまったら悔やんでも悔やみきれませんね。

そんなことにならないためにも、ご自身のスケジュールを管理しつつ、計画的に予防接種を受けさせるようにしましょう。

マシュマシュ

注射はイヤだけど、病気はもっとイヤ!


あきこあきこ

がんばってお注射しましょうね、マシュ。

その首輪の締め付け、大丈夫?

直接病気には関係ありませんが、犬が咳をする原因として「首輪の締め付け」も考えられます。前出にもあるように、気道にある「咳受容体」という異物を察知する部分が刺激されて咳がでてしまうのです。

首輪が苦しそうで咳をするようなら、「ハーネス」に変えてあげるのも良い方法ですね。

PUPPIA パピア ソフトベストハーネス/XS,S,M,L 2,200円

まさるまさる

ハーネスのほうが首に負担がかからないもんね、マシュもハーネスにしようか?


マシュマシュ

オシャレなやつでヨロシク〜

空気のきれいをキープしてアレルゲン除去

家庭内でできる、犬の咳の予防法としては「空気清浄」と「適度な加湿」があげられます。お住まいが都心部であったり、中国大陸から飛んでくる汚染物質の影響を受けやすいエリアの場合には要注意です。空気中の汚染物質が原因で、愛犬がアレルギー反応を引き起こすことが考えられるからです。

そこで空気清浄が有効なのですが、同時に加湿をすることで空気中にある汚染物質を床に落とすことができます。私たち人間にとっても、愛犬にとっても、健康を維持するためにはきれいな空気を保つことが大事なんですね。

あきこあきこ

空気の乾燥はお肌にも悪いしね。


マシュマシュ

美しい毛並みをキープするためにもね。

やっぱり「愛」がいちばん!!日常生活をしっかり観察してあげる

やはりいちばん大事なことは、日頃の健康管理も含めて、愛犬の日常生活をしっかりと観察しておくことです。愛犬の癖や行動パターンなど、普段どんな様子で過ごしているのかを知っていれば、もしも病気などによる変化が現れたときにすぐに気づいてあげることができますね。

そして、日常的な運動や食事の管理をしてあげることでも、多くの病気を防いであげることができます。例えば、偏った食事を続けることで肥満になってしまうと、気管が圧迫されることにより咳がでる原因にもなり得ます。

犬の咳に限らずあらゆる病気を予防するためには、まずは飼い主さんの愛情がいちばん大事なのかもしれませんね!

まさるまさる

ぼくらも愛情たっぷりにマシュを見守ってあげようね!


あきこあきこ

そうね、病気せずに長生きしてもらいたいもんね!


マシュマシュ

パパ、ママ、ありがとう〜!

愛犬の健康を守るには「食事」も大事ですね!こちらの記事もご参考ください。

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まとめ

愛犬が咳をした場合に、どう対処したらよいかをパターン別に確認してきました。それではポイントをまとめてみましょう。

病院に連れて行くべき愛犬のこんな「咳」
  1. なかなか止まらない咳
  2. 咳と一緒にゴボゴボという音がしたり、血痰が出る
  3. 咳き込んで下の色が変色する
  4. 横になると辛そうにして、上体を起こそうとする
  5. 咳をして早朝に起きてしまう

このような症状が出た場合には、心臓病や肺炎などの深刻な病気が原因である可能性が考えられます。すぐに病院へ連れて行き診察を受けさせましょう。

ただし、「逆くしゃみ」や「ちょっとむせただけ」という理由で咳をする場合もあります。それを見極めるためにも日頃からよく観察をしてあげて、病気になった場合にはいち早く気づいてあげるということがとても大事なんですね。

皆さんの大切な愛犬がいつまでも健康でいられるように応援しています。最後までお読みいただきありがとうございました。