犬に生肉を与えても大丈夫であることをご存知でしょうか。
最近では生肉をあげることで健康に効果的だという情報が多く見られます。
しかし体に良いからといって、十分な知識のないまま与えてしまうと体調不良のリスクがあるのです。
生肉を与える際の注意点を理解し、慎重に与える必要があります。
体に良いと思ってあげた生肉で、健康を損ねてしまっては本末転倒です。
きちんとした知識をもって、愛犬のために健康的な食生活を送らせてあげたいですね。
大切な愛犬に美味しい生肉を食べさせたい方は、ぜひ最後まで読んで生肉について一緒に学んでいきましょう。
犬は生肉を食べられる!狂暴になるって本当!?
犬に生肉をあげても大丈夫です。
わんちゃんは、もともとオオカミを祖先にもつため本来は肉食と言えます。
さらに歯の構造や短い腸であることから、生肉はわんちゃんにとって最適なのです。
しかし正確にはわんちゃんは肉食寄りの雑食動物。
そのためお肉だけではバランスの良い食生活を維持することができません。
お肉だけに偏ることなく栄養バランスを考えてあげる必要があります。
犬に生肉をあげると狂暴になる?
結論から申し上げますと、そのような事実はないようです。
生肉をあげることで野生に戻る、オオカミ時代の凶暴さが出てくる等の理由からこのような噂が出たようです。
しかしこういった理由を裏付けるデータや証拠はありません。
生肉をあげてもわんちゃんの性格は変わらないのでご安心ください。
犬に生肉をあげる7つのメリット
犬が生肉を食べるメリットを7つ解説します。
①消化・吸収しやすい
②生きた酵素を取り入れられる
③栄養が豊富に含まれる
④水分補給を助ける
⑤口内環境が良くなる
⑥便量が減り、食糞防止になる
⑦食いつきが良い
上記のようなメリットがあります。
これだけ見ると、生肉はわんちゃんにとって良いことづくめですね。
画像の飼い主さんのように、わんちゃんのために生肉をお取り寄せしている方も多いようです。
①消化・吸収しやすい
生肉は野菜や草に比べて消化・吸収がしやすいと言えます。
わんちゃんの腸の長さは3mほどと短いため、生肉のように消化吸収しやすい食材は最適です。
反対に草食動物は、時間をかけて消化するため長い腸を持っています。
以下の表を見ていただくと分かる通りです。
▼動物ごとの腸の長さの表
動物名 | イヌ | ライオン | オオカミ | ウシ | ウマ | ヒト |
腸の長さ | 3m | 7m | 7m | 50m | 30m | 7m |
このことから生肉はわんちゃんにとって消化・吸収を効率的にできる食材と言えます。
②生きた酵素を取り入れられる
生肉を食べさせることで、生の生きた酵素を取り入れることができます。
加熱処理されたドッグフードには酵素が含まれていません。
酵素は加熱されると破壊されてしまうのです。
酵素を取り入れることで、代謝や免疫が上がり丈夫な体作りを手助けします。
免疫が低下しているシニア期のわんちゃんなどは積極的に摂取したいですね。
生の酵素は、生肉以外にも生野菜や発酵食品、サプリメントから取ることができます。
③栄養が豊富に含まれる
生肉にはビタミンやミネラル、脂肪、たんぱく質などの栄養が豊富に含まれています。
これらはわんちゃんに必要な5大栄養素です。
(5大栄養素は炭水化物・タンパク質・ビタミン・ミネラル・脂肪)
特にたんぱく質や脂肪は、丈夫な筋肉や健康的な被毛を維持することに効果的です。
ビタミンやミネラルは直接的な栄養ではありませんが、体の調子を良好に保つうえで欠かせない栄養素でしょう。
このように生肉には豊富な栄養が含まれています。
④水分補給を助ける
ドッグフードにはほとんど水分が含まれていません。
対して生肉は加熱処理されていないため、水分も豊富に含まれています。
わんちゃんが自分で飲む水分だけでは不足がちなため、水分補給を助けることは生肉のメリットでしょう。
ドッグフードには水分が含まれておらず、それを補うために人工的なミネラルが多く含まれているものもあります。
この過剰なミネラルと水分不足によって、尿結石のような疾患になることもあるのです。
⑤口内環境が良くなる
生肉を食べることで、歯垢が付きにくくなると言われています。
また歯磨き効果や歯の着色防止にもなるのです。
わんちゃんの歯を健康に保つことは非常に重要です。
特に歯周病になると全身に悪影響を及ぼします。
またわんちゃんは歯のトラブルを抱えやすく、シニア期になると何もしていないとほとんどのわんちゃんに歯のトラブルが見られるのです。
生肉を定期的に与えることで、歯を健康的に保ち良好な口内環境に導くことができるでしょう。
⑥便量が減り、食糞防止になる
生肉が消化・吸収しやすいことは一番最初に解説しましたね。
消化・吸収が良いことで、便量が減るというメリットもあります。
便量が減るのは、栄養が十分に体内に吸収された証です。
さらに、栄養を吸収しつくた便のため食糞防止にもつながります。
わんちゃんが食糞する理由は、ドッグフードの栄養が十分に吸収されておらず、便にまだ栄養や香りが残っていて再吸収しようとするためです。
このことから、生肉は良く栄養が吸収されていることが分かります。
⑦食いつきが良い
わんちゃんはお肉好きの子が多いです。
本来肉食であることから、お肉の匂いや味は食いつきの良さにつながります。
実際に生肉をあげる飼い主さんの多くが、食いつきが良くなったと感じているようです。
健康的なメリットも重要ですが、美味しく食事を楽しむということもわんちゃんにとっては大切でしょう。
人間と同じくわんちゃんも、食べることは生きる中での楽しみの1つなのです。
犬が生肉を食べる5つのデメリット
犬に生肉をあげるデメリットを5つ解説します。
①コストがかかる
②保存が難しい
③栄養管理が難しい
④預かってもらう際に対応してもらえないこともある
⑤食中毒のリスクがある
上記のようなデメリットがあります。
初心者の方にはどれも難しい問題ですね。
上記のように生肉を扱うのは大変だということがお分かりいただけるかと思います。
①コストがかかる
頻繁にわんちゃんが生食できるお肉を調達するにはコストがかかります。
新鮮な生肉はそれだけで費用がかかるものです。
わんちゃんのサイズによって量も変わってきますが、大型犬となると消費量が多いためさらにコストがかかると言えます。
生肉の費用の相場は1キロで4000円弱といったところでしょう。
ただし購入先やお肉の種類、部位によって異なります。
毎日毎食与えるものではありませんから、費用を考えて購入してみると良いですね。
②保存が難しい
ドライタイプのドッグフードであれば、基本的には常温で1ヶ月程度は保存がきくでしょう。
しかし生のお肉となるとそうはいきません。
冷蔵庫での保存も2日程度が限度と考えると、1食で食べる量を小分けにして冷凍する必要があります。
さらに保存用に冷凍庫のスペースもそれなりに必要です。
少量ずつ小分けにされている商品を探してみても良いかもしれません。
③栄養管理が難しい
ドッグフードはそれだけでわんちゃんに必要な栄養が摂れる総合栄養食であることに対して、お肉はそうではありません。
お肉だけでわんちゃんに必要な栄養をすべて摂ることはできないのです。
そのため、生肉や手作り食をあげる場合には栄養バランスを考えて管理する必要があります。
しかし動物栄養学の知識のない初心者の方がわんちゃんの栄養管理をするのは大変なことです。
最初から完全な手作り食を目指すのではなく、生肉をドッグフードのトッピングとして扱うことから始めてみましょう。
④預かってもらう際に対応してもらえないこともある
ペットホテルや知人に預ける際に、生肉は対応してもらえないことが多いです。
特にペットホテルでは、衛生管理上や手間がかかることから生肉はお断りされるでしょう。
頻繁に愛犬を預ける可能性のある方は、すべてを手作り食にするのではなく定期的にドッグフードも与え慣れさせておくのが良いですね。
⑤食中毒のリスクがある
生肉には細菌が付着していることもあり食中毒のリスクがあります。
そのため生肉の扱いや購入先には細心の注意を払うことが大切です。
冷凍便で届く商品を選んだり、調理の際には衛生管理を徹底しましょう。
特にまな板や包丁は、わんちゃんの生肉用に別で用意すると良いですね。
また衛生管理に関して信頼できる購入先から買うようにすることも大切です。
食中毒の種類によっては、わんちゃんから人間に感染することもあります。
特に小さなお子さんやお年寄りのいる家庭では十分に気を付けましょう。
犬に生肉を与える際の8つの注意点
犬に生肉を与える際の注意点について8つ解説します。
①少量から始める
②時間をかけて量を増やす
③サイズや固さに気を付ける
④新鮮な生食用のお肉を選ぶ
⑤脂肪の少ない部位を与える
⑥豚肉の生食や骨付き肉は避ける
⑦食後の食器や調理器具はすぐに片付ける
⑧体調が優れないときは与えない
上記のように、生肉を与える際には気を付けるべきポイントがあります。
詳しく見ていきましょう。
①少量から始める
ドッグフードしか食べたことのないわんちゃんには、小さじ1杯程度の生肉をトッピングすることから始めてみましょう。
食べさせてみて体調や便に異常がなければ少しずつ量を増やしても大丈夫です。
ドッグフードのトッピングとしての適量は20∼30%ほど。
そのためフードの量を20∼30%減らして、その分生肉をトッピングするのがオススメです。
②時間をかけて量を増やす
与える生肉の量を増やしたい、もしくは完全に手作り食に切り替えたい場合は徐々に時間をかけて与える必要があります。
1週間は同じ量で続けて、目的の量までは1ヶ月程度かけて少量ずつ増やしていきましょう。
また下痢など異変が見られた場合は量を減らすか中断します。
それでも良くならなければ病院に連れていきましょう。
③サイズや固さに気を付ける
生肉を喉や気管に詰まらせないように、小さくカットしてから与えましょう。
わんちゃんは食べ物を丸呑みする習性があるため、大きすぎる生肉を丸呑みしてしまうと詰まらせて呼吸困難になってしまいます。
特に小型犬は気管や消化器官が細いので、詰まらせないか注意しましょう。
さらに固すぎるお肉は与えないようにしましょう。
固すぎると詰まらせるだけでなく、口内を傷つけてしまう可能性があります。
サイズも固さも程良いお肉を選んであげましょう。
心配な方はミンチ肉を選んだり、ペースト状によく刻んであげるのもオススメです。
④新鮮な生食用のお肉を選ぶ
鮮度の基準は私たち人間がお刺身などを生食するのと同じ基準で考えてあげると良いです。
スーパーのチルドコーナーにあるお肉の多くは加熱用なので生食は避けましょう。
冷凍のお肉であれば菌も死滅していて、鮮度も保たれているので安心です。
このように新鮮でわんちゃんが生食できるお肉はネットショップの方が充実しています。
犬用の生肉を選んであげても良いですね。
⑤脂肪の少ない部位を与える
お肉の脂肪部分は高カロリーで固いです。
脂肪の少ない赤身肉を選ぶようにして、脂肪が付いていたらカットして取り除くようにしましょう。
ラム肉や馬肉は脂肪分が少なく栄養も豊富なためオススメです。
⑥豚肉の生食や骨付き肉は避ける
豚肉は生食することができないので絶対に与えないでください。
豚肉には寄生虫や細菌が多く付着しています。
そのため感染症や食中毒を起こしてしまい大変危険です。
またお肉の骨も与えないようにしましょう。
お肉の骨は噛むことで先端がとても鋭利になります。
そのため口内を傷つけたり、飲み込むと内臓を傷つけてしまうのです。
骨のあるお肉は避けて、万一骨が付いていたら取り除いてあげましょう。
⑦食後の食器や調理器具はすぐに片付ける
生肉を扱った際の衛生管理はとても大切です。
食後のフードボウルは放置すると雑菌が繁殖します。
生肉を調理した器具も同様です。
そのため食後はすぐに撤去し洗ってあげましょう。
まな板や包丁などの調理器具もしっかり洗って、アルコールで除菌したり熱湯消毒すると安心です。
⑧体調が優れないときは与えない
体調が優れないときに生肉をあげることで悪化したり感染症にかかりやすくなってしまいます。
弱っている時は抵抗力も落ちているため、普段なら大丈夫でも生肉の細菌などに負けてしまうこともあるでしょう。
よって生肉をあげる際には体調が悪くないかよく観察し、優れない日は避けることが大切です。
犬にあげる生肉はスーパーでもいい?オススメ商品もご紹介!
犬に与える生肉はどこで買えるのか、またどのようなお肉を選べば良いのかについて解説します。
犬にあげる生肉はスーパーでも買える?
わんちゃんが生食できる条件を満たすお肉をスーパーで探すことは困難かもしれません。
スーパーのチルドコーナーのお肉は加熱用であり、長時間チルドに並んでいるため生食できるほど鮮度が良いとは言えないでしょう。
冷凍コーナーのお肉でも生食用のお肉はスーパーではあまり見かけないです。
そのためわんちゃん用の生肉の購入先はネットショップや通販を利用する飼い主さんがほとんどでしょう。
より安全に美味しい生肉を食べてもらうためにも鮮度にはこだわって選ぶ必要があります。
オススメの生肉
わんちゃんにあげる生肉のオススメ商品をご紹介します。
良かったら参考にしてみてくださいね。
オススメの馬肉を使ったミートボールをご紹介します。
▼商品概要
商品名 | 犬猫用 馬肉団子(ミートボール)冷凍 1袋6個入り(約240g程度) (1袋) |
メーカー名 | 帝塚山ハウンドカム |
価格 | 968円(+配送料990円) |
▼オススメできる特徴
- 販売メーカーの「帝塚山ハウンドカム」はペット用品、フードを幅広く取り扱っていて、生肉の販売にも力を入れている
- 冷凍で届くため夏場の注文でも安心
- 人も食べられる基準(ヒューマングレード)の馬肉使用
- 高タンパクで低カロリー
参照:Amazon
犬のためのフードや生肉を多数取り扱う「帝塚山ハウンドカム」の公式サイトは以下からどうぞ。
生肉のオススメ商品を紹介する動画はコチラです。
関連記事
当サイトでのオススメの関連記事も合わせてご覧ください。
▼犬は牛肉を食べられるのかについての詳しい記事はコチラです。
▼犬が豚肉を食べる際の注意点について詳しく書かれた記事はコチラです。
まとめ
当記事をまとめます。
▼犬に生肉をあげる7つのメリット
①消化・吸収しやすい
②生きた酵素を取り入れられる
③栄養が豊富に含まれる
④水分補給を助ける
⑤口内環境が良くなる
⑥便量が減り、食糞防止になる
⑦食いつきが良い
▼犬に生肉をあげる5つのデメリット
①コストがかかる
②保存が難しい
③栄養管理が難しい
④預かってもらう際に対応してもらえないこともある
⑤食中毒のリスクがある
▼犬に生肉を与える際の8つの注意点
①少量から始める
②時間をかけて量を増やす
③食べやすいサイズにカットし、固さにも気を付ける
④新鮮な生食用のお肉を選ぶ
⑤脂肪の少ない部位を与える
⑥豚肉の生食や骨付き肉は避ける
⑦食後の食器や調理器具はすぐに片付ける
⑧体調が優れないときは与えない
いかがでしたでしょうか。
わんちゃんに生肉をあげるメリットは近年注目されているようです。
デメリットや注意点に気を付けて与えましょう。
大切な愛犬が美味しい生肉を喜んで食べてくれたら嬉しいものです。
安全に与えて健康的な食生活を心掛けましょう。
お肉が大好きなわんちゃんであれば、生肉を食べて元気いっぱいになること間違いなしですね。
当記事がわんちゃんの食生活の知識としてお役立ていただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。