豚肉を炒めていると、愛犬のテンションが異様に上がります。厳密に言うと豚肉に限ったことではないのですが、でもやはり、豚肉を焼いてる時のニオイへの反応がものすごいんです。
その勢いとテンションたるや、執着のような、怨念のようなものさえ感じるほどです。思わず「野獣かよ」とツッコんでしまうほどです。
みなさんの愛犬はどうでしょうか?一般的に犬って、肉への執着心がすごくないですが?
せっかくなのでいちど食べさせてみようと思うのですが、その前に豚肉は犬に与えてもいいのか、気をつけることはないのかを確認してみたいと思います。
犬に豚肉をあげていい?
豚肉に限らず、人間の食べ物を犬に与えるときに「あげてもいいのかな?」と迷ってしまう飼い主さんはたくさんいると思います。結論から言うと、豚肉は犬に与えてもよい食品のひとつです。
よく探してみると、豚肉はドッグフードの原材料になっていたりしますし、豚肉を使用した犬用のおやつなどもたくさん売っていますね。また、犬の健康にもよい栄養素が含まれているので、むしろおすすめの食材でもあるのです。
豚肉は食べさせてもいいのね!
豚肉は犬に食べさせても問題はありません。しかし、いくつかの注意しなくてはならない事がありますのでご紹介いたします。
愛犬に豚肉を与える時の「6つの注意点」
犬に豚肉を与えるときに注意したいポイントは以下の6つです。
- 与える量
- 人間用の味付けのまま与えない
- 生の豚肉を与えない
- 加工された豚肉は与えない
- 豚肉の骨は取り外す
- アレルギー反応が出ないかよく確認する
それではそれぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
注意点①犬に豚肉を与える量
まず気をつけてあげないといけないのは、豚肉を与える量です。
おいしい匂いのする豚肉は、愛犬も食いつきが良く、いくらでも食べたがるかもしれません。しかし、豚肉ばかりをたくさん食べていると、栄養が偏ってしまうのは目に見えています。肥満はあらゆる疾患の原因になる可能性があるので、飼い主がしっかりと管理してあげなくてはなりません。
食べさせる量は気をつけなきゃね!
「愛犬に間食として与えても良い豚肉の量」はこちらです。
犬の体重 | 豚肉の量 |
3kg
(チワワ、ポメラニアンなど) |
8g
(約大さじ1杯) |
5kg
(シーズー、パピヨンなど) |
12g
(約大さじ1と1/2杯) |
10kg
(ビーグル、柴犬など) |
20g
(約大さじ2杯) |
15kg
(ブルドッグ、ボーダーコリーなど) |
27g
(約大さじ2と1/2杯) |
こちらはあくまで目安ではありますが、間食として与えても良い量は、およそスプーン1〜2杯というほんのわずかな量なんですね。
もちろん、間食ではなく通常の食事としてドッグフードに混ぜて与える場合には、量は変わってきます。その場合には豚肉を入れる分、ドッグフードの量を減らして与えるようにしましょう
スプーンで1〜2杯かぁ、ほんのちょっとなのね。
注意点②人間用に調理した豚肉をそのまま与えない
愛犬に豚肉を与える際には、人間の食事用に調理したものを与えてはいけません。
豚肉は、いろんな料理に使える万能な食材ですね。その匂いに誘われて愛犬も「ちょーだい!ちょーだい!!」と寄ってくることも多いでしょう。
そこでついつい与えてしまいたくなる気持ちはよ〜くわかりますが、人間用に味付けし、調理した豚肉を与えない方がよいのです。
理由②–1味付けが濃すぎる
その大きな理由のひとつは、犬には味付けが濃すぎるということです。
人間用の味付けをしたものは、犬には塩分が多すぎます。塩分の過剰摂取は血圧が高くなったり、腎臓への負担がかかるなどの原因になりますので注意が必要なのです。
塩分は犬も人間も取りすぎはいけないんだね!
理由②–2ネギ類が含まれている可能性がある
また市販のタレやソースなどには、玉ねぎやニンニクなどの犬が食べてはいけない食材が使用されていることがあります。
『玉ねぎ中毒』とは何なのか?・・・正確に解説します玉ねぎ、ネギ、ニンニク(ガーリック類を含むものすべて)、ネギ(むかご、ネギの花、幹部分を含む)とそれを含む乾燥パウダーと調理物はすべて中毒の原因となります。もちろん犬も猫もです。ネギ類摂取による症状としては、嘔吐、下痢、流涎(ヨダレ)があり、その後症状に進行がみられないことが多いです。しかし溶血が起っている場合には緊急状態に進行することもあります。 この場合の症状としては、貧血に伴う粘膜蒼白、虚脱、元気食欲喪失、抑うつ、呼吸速迫などがあります。 溶血による黄疸、赤色尿(血色素尿)されに肝障害と腎障害に進行することもあります。引用先:公益社団法人 静岡県獣医師会HP
- 下痢(げり)
- 嘔吐(おうと)
- よだれ
犬がネギ類の食材を食べてしまうと、下痢や嘔吐、よだれなどの症状がでます。それらの症状が出た場合には、病院に連れて行き獣医の診断を受けた方が良いと言えます。
食べた量や犬の体質にもよりますが、ひどい場合には肝臓や腎臓にも悪影響を与え、命にかかわる事態に進行してしまうこともあります。飼い主の責任として、与える食べ物にはちゃんと注意してあげなくてはなりませんね。
ネギは犬にあげちゃダメって聞いたことある!
とても危険な症状になるのね。
注意点③生の豚肉を犬に与えない
牛や豚などは、と畜場で解体処理する過程で腸内にいる腸管出血性大腸菌やサルモネラのような病原性の細菌がお肉や内臓に付着したり、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります。
このため、新鮮なものかどうかに関わらず、生や加熱不十分なものは重篤な食中毒が発生する危険性があります。引用:厚生労働省HP
肉類を生のまま与えると、ウイルスや菌に感染してしまう可能性があります。愛犬に豚肉や、その他の肉類を与える際には、必ずしっかりと加熱をしましょう。
その他にも、生肉にはトキソプラズマという寄生虫が付いている場合もあります。健康な犬であれば、感染しても発症しないのですが、免疫が落ちていたりすると下痢や呼吸困難などの症状がでることがあるので気をつけましょう。
生の肉も危険なのね、ちゃんと料理してあげなきゃね。
注意点④ハムやベーコンなどの加工された豚肉を犬に与えない
加工食品であるハムやベーコンは、犬にとっては塩分が多すぎます。塩分の取りすぎは犬の健康を害しますし、味の濃い食べ物に慣れてしまうと、ドッグフードなどの普段の食事を食べなくなってしまいます。
またチャーシューなどは、調理をする際にネギ類と一緒に煮込まれることが多い食品です。目には見えなくても、ネギ類が使用されている食品は犬に与えてはいけません。
愛犬の健康管理のためにも、加工された肉類は与えないようにしましょう。
ハムもベーコンもおいしいけど、犬にはだめなんだね。
注意点⑤豚肉の骨は犬に与えない
犬は噛むことが大好きなので、骨を与えるときっと喜んで噛み付くでしょう。しかし、加熱された骨はもろくなっています。そして噛んでいるうちに欠けてしまい、そのまま飲み込んでしまう可能性があります。
そのようにして飲み込んでしまった骨は、消化できずに腸に詰まって腸閉塞の原因になったり、内臓に傷をつけてしまう危険性があるのです。
愛犬に豚肉を与える際には、骨は取り外して与えるようにしましょう。
骨も危険なのね、ちゃんと取り外してあげましょう。
注意点⑥犬に豚肉アレルギーがないか見極める
豚肉は、他の肉と比べるとアレルギー症状が出やすい食材です。豚肉を与えた直後に、嘔吐や下痢などの症状が出た場合にはアレルギーの可能性があります。そのような症状が出た際には病院に連れて行きましょう。
もしも愛犬に豚肉アレルギーがある場合には、無理に豚肉を食べさせる必要はありません。何か他の食材でタンパク質を補給してあげる方法を取りましょう。
豚肉のアレルギーって知らなかった!ちゃんと見てあげなきゃね。
他にも犬には食べさせてはいけない食べ物が?こちらの記事もご覧ください。
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ところで、犬にアレルギーがなければ豚肉って健康にいいのかしら?
それでは、豚肉の栄養素やその働きを見ていきましょう。
犬の健康にもイイ!豚肉の栄養素
タンパク質
タンパク質は、体をつくるための重要な栄養素のひとつです。血や骨、筋肉などを作るもととなるため、犬にも欠かせない成分なのです。そのタンパク質が不足すると、体温を維持できなくなったり、筋力の低下やホルモンの分泌にまで影響がでてきます。
愛犬の食欲がない時などには普段の食事に豚肉を混ぜてあげるなどして、栄養の補給をしてあげるといいでしょう。
タンパク質は筋肉や骨を作るんだね!
ビタミンB群
ビタミンB群は、主に疲労回復や老廃物の排出などをサポートする役目があります。また、皮膚や毛並みを整えたり、爪の健康を保ってくれる効果もあるのです。
豚肉にビタミン?と意外かもしれませんが、ビタミンB群は豚肉に多く含まれているのです。
ビタミンBがお肌にいいってのは聞いたことがあるわね!
ミネラル類
豚肉にはナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル類が含まれています。ミネラルは、骨や歯などを構成するために必要だったり、体液のバランスを整えたりするのに必要な成分です。
不足すると、貧血や食欲不振、脱毛などの症状がでる場合もありますので、犬にとっても必要な成分なのです。
ミネラルっていろんなことに関係してるんだね。
豚肉には犬の健康のために役立つ栄養素が、たくさん含まれていることがわかりました。それでは続いて、豚肉の部位ごとの特徴を見ていきましょう。
「豚肉の部位」各部位の特徴
犬に豚肉をあげるときには、どの部位を与えるのが良いのでしょうか?
部位 | 特徴 |
肩ロース |
|
バラ |
|
モモ |
|
ヒレ |
|
各部位ごとにタンパク質や脂質の量が異なります。そこで気をつけたいのは脂質の量です。脂質そのものに問題があるわけではありませんが、やはり取りすぎは犬の健康に悪影響となる可能性があります。
犬の体調が悪いときやシニア犬の場合は、特に注意が必要です。脂質は健康な状態ではないときに取りすぎると、消化不良や下痢などの症状がでることもあるのです。
また、脂質の取りすぎは肥満の原因にもなりますので、その点でも注意が必要となります。与える際には脂身の部分を取り除いてあげるなど、工夫をしてあげましょう。
言われてみると、若いときはもっと脂身を好んでいたような、、
それでは続いて、豚肉を使った愛情たっぷりの手作りレシピをご紹介します!
愛犬のために!豚肉の手作りレシピ「おすすめ3つ!」
犬ご飯レシピ:春キャベツと豚肉の黒醋炒め(薬膳)
- 薄切りの豚肉
- キャベツ
- 生姜
- オリーブオイル
- 黒酢
(※分量は全て適量でご用意してください)
〈作り方〉
- 細かく切った生姜をオリーブオイルで炒める
- ザク切りしたキャベツを炒める
- 食べやすい大きさに切った豚肉を炒め、黒酢を入れて蒸し焼き状態にする
- 完全に火が通ったらできあがり、よく冷ましてから与えましょう
「生姜や黒酢は犬に与えていいの?」という疑問を持った方もいるのではないでしょうか?これらの食材は胃腸などにも良い、犬の健康にも良い食材だということですので適量であれば安心して与えて大丈夫です。
シンプルだけどおいしそうね!今度これを作ってあげようかな?
ヨロシク〜!ママありがとう!
犬の手づくり食:豚ひき肉と豆腐の煮込みご飯
- 豚ひき肉
- 豆腐
- ごま油
- 生姜
- 片栗粉
(※分量は全て適量でご用意してください)
〈作り方〉
- ごま油で生姜を炒め、香りを出す
- 豚ひき肉をよく炒め、水を足して豆腐を入れて煮込む
- 水溶き片栗粉を入れてとろみを出して完成、よく冷ましてから与えましょう
ごま油と生姜の良い香りが食欲をそそる一品です。豚肉と豆腐のタンパク質が摂取できる「犬のパワーめし」ですね!
ごま油ってほんとイイ香りだよね、これは僕も食べたいかも。
犬の薬膳〜元気がない時に、豚肉とかぼちゃのあんかけご飯
- 薄切り豚肉
- かぼちゃ
- ごま油
- 生姜
- 葛
(※分量は全て適量でご用意してください)
〈作り方〉
- ごま油で生姜を炒め、かぼちゃを投入して炒める
- 食べやすい大きさに切った豚肉を加え、しっかり炒める
- 水を足して煮込み、水で溶いた葛を加えてとろみを出して完成、よく冷ましてから与えましょう
かぼちゃの鮮やかな色合いがとっても美味しそうです。餡かけのとろみがさらに食欲を促進させてくれる、お腹にもやさしい一品ですね!
これ見た目もキレイだし、私も食べたい!
こんなに美味しそうな手作りのごはんを作ってあげたら、愛犬もきっと喜ぶことでしょう。毎日作るのは難しいかもしれませんが、時間があるときにぜひ作ってみてくださいね!
まとめ
豚肉は犬に与えても良い食材ということがよくわかりましたね。むしろ栄養素の面でみると、犬の健康のためにも良い効果があるということがわかりました。
ただし愛犬に豚肉を与える際には、以下の注意点に十分気をつけて食べさせましょう。
- 与える量
- 人間用の味付けのまま与えない
- 生の豚肉を与えない
- 加工された豚肉は与えない
- 豚肉の骨は取り外す
- アレルギー反応が出ないかよく確認する
注意点をしっかり守れば、おいしく、健康に良い豚肉です。おやつやご褒美として与えたり、手作りの食事を用意して食べさせてみましょう。
みなさんと愛犬の、健康で楽しい毎日を応援しています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。